FXのこだわり

FX業者のチェックポイント | ビジネスモデル編

FX業者のビジネスモデル

金融免許は国によって営業できる業務の範囲が異なりますが、FX業者のビジネスモデルに絞ってみた場合、取次ぎ専用(NDD)、マーケットメイク(DD)可能(取次も可能)に分かれます。取次ぎ専用とは後述するNDD専業(100% Agency model)のみ行えるもので、マ ーケットメイクが可能な場合は顧客の注文を呑む事が許されています。取次ぎ専用の場合、 FX業者は注文の仲介しかしませんので、マーケットの変動や顧客の質に応じて経営リスク がありませんが、マーケットメイクの場合は顧客のポジションに応じてFX業者の財務状況が悪化する事がある為、免許取得時に準備する資本の要件が高めに設定されています。世界の約90%程度のFX業者はマーケットメイク(DD)可能な免許を取得します。取次も出来ますし、最も収益性の高いマーケットメイクを行いたい為です。マーケットメイク(DD) 業者と取引する場合は常に FX業者の破綻リスクにも注意しなければならないため、DD業者では絶対に取引しません。FX業者のビジネスモデル、すなわち収益モデルは投資家にとって大いに気にする項目です。なぜなら、その収益がどこから発生しているのかによって、投資家が不利な取引環境であるか否か分かるからです。ここでは、DDモデルと NDDモデルについてご紹介します。

Dealing desk (DD)モデルとは

ディーリング・デスクによって注文処理を行うモデルです。DD には「ディーラー(人間)」と「プロ グラム」による注文処理が存在します。ディーラーは以下の3つの選択肢で注文を処理します。

1. 投資家からうけた注文を他の銀行へ取次ぐ。(取次先銀行等と投資家からの注文の価格差が収益源であるため、市場の動きをみて収益が出なければ取次げない)

2. 投資家と反対ポジションを持つ事で約定する。「マーケットメイク(呑み行為)」(投資家が売り注文であればディーラーはその注文を買う為、買いポジションを保有する。つまり、投資家が負ければディーラーが勝つ。投資家が負ける事が収益源)

3. 注文を拒否する。(約定拒否・価格再提示するが、上記1,2も見送りたい場合に行う)

DD モデルはスプレッドが“0銭“でも投資家が負ければ負けた金額がディーラーの利益である為、 ビジネスとして成立します。日本を含めた世界中の9割以上は DDモデルを採用しているのが現状です。

DD業者による投資家との利益相反行為

1. スキャルピングの禁止。(低スプレッドでスキャルピングだと投資家が勝ちやすい為)

2. 大きく利益を出す投資家の口座凍結・追い出し(どのような取引手法であっても投資家が大きく勝ったり、勝ち続ける事はDD業者にとっては損失でしか無い為)。

3. 注文数量・保有ポジション等に上限を設ける。(どの投資家が勝つかわからないのと、リスク管理のため)

4. ポジティブ・スリッページを提供しない。(ポジティブ・スリッページは投資家の利益となる為、提供せず、ネガティブ・スリッページのみ提供する。日本はDD業者が多いため、日本人はDD業者が行う、悪質なスリッページ操作しか知らず、スリッページは不利益にしかならないものという認識を持っている。)

5. 約定拒否や価格の再提示を意図的に発生させる。(指標発表時など、相場の方向性が明確で あったり、スキャルピングしやすいタイミングの際に発生させたりする事が多い。)

6. 約定遅延(投資家が100.000で買い注文を出した時に市場価格が下がるまで待機させる。 待機中の画面がくるくる回る表示が出るため、くるくる詐欺とも呼ばれる。低スプレッドで注文して約定したと勘違いさせるが実際には大きくスリッページが発生している)

参考ニュース:FX取引で証券会社に賠償命令 18秒の約定遅延「債務不履行」(松井証券)

インターネットを通じた外国為替証拠金(FX)取引で、約定が遅れたことで損害を被ったとして、茨城県の男性が松井証券に約1400万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、東京地裁は16日、約200万円の支払いを命じた。 問題となったのは、損失が無制限に拡大するのを防ぐため、あらかじめ設定した為替レー トになった場合に強制決済される「ロスカット」と呼ばれる仕組み。原告側は設定レートに達してから実際のロスカット約定までに約18秒経過し、その間の相場変動で損失が生じたと主張していた。 戸田久裁判長は「ロスカットまでに一定のタイムラグが生じることは契約上想定されているが、10秒を超えれば合理的範囲内とはいえない」と指摘。タイムラグを抑えるシステムを整備する義務に違反したとして、証券会社側に債務不履行があったと結論付けた。(日本経済新聞)

7. ストップ(ロスカット)狩り(投資家のポジションを強制的に損切り扱いにするために意図的に損切りになる水準までプライスを移動させる行為。平常時に異常のプライスを出すとはバレるため、指標発表時や相場が大きく変動することにまぎれて行うのが一般的であるが、 ログイン状況を確認して投資家がログインしていないタイミングを狙うこともある。

原則固定の低スプレッドに騙される日本人

総論として、日本人は原則固定の低スプレッドに騙されているが上記のような隠れコストを考えると、平均的にメジャー通貨で1.5~2.0pips 程度のコストを支払っていると推測されます。日本のFX業者は世界でもっとも表面上のスプレッドが狭いのに世界で最も儲かっている理由がここにあります。ストップ狩りが発生した場合は計算しきれないコストになります。これらは、 日本のFX業者だけはなく、DD業者全般に発生する隠れコストです。現在のところ、ほとんどの行為は規制上、許容されています。ただし、裁判などになると投資家が有利な判決が出ていま す。あまり、知られていませんが、日本のFX業者はこれらの悪質行為によって多くの訴訟があります。

極度なハイレバレッジとボーナスを避けたほうが良い理由

海外FX業者には200倍以上のハイレバレッジ業者はたくさんありますが、そのすべてがDD業者です。理由は明白で、一定のレバレッジを超えると、ちょっとしたレートの操作でストップ狩りができる為です。FX 業者もハイレバレッジの穴をついて異なる口座で両建てを行ったり、 異業者間でハイレバレッジを使った両建てを行う事は想定内です。この場合、1つには不正な取引(規約違反)という名目で出金を拒否します。ポジションを建てていれば、500倍レバレッ ジであれば20pipsぐらい動かすだけでロスカットになるため、それで損失を出させます。DD業者はとにかく入金させることが目的です。そのために入金ボーナスなど様々なボーナスを提供します。当然ながらボーナスを出金するには条件があり、ボーナス分の原資は投資家の資金です。自分で自分にボーナスを払っているという事すら多くの投資家は気が付きません。これらのFX業者がどうやって採算があっているのかよく考えてみてください。DDモデルのFX業者は何枚も上手です。投資家によるレバレッジやボーナスの悪用も見越したビジネスモデルである事を理解するべきです。

No dealing desk (NDD)モデル(Agency model)とは

ディーリング・デスクを持たないという意味で Agency model とも呼ばれます。注文の取次ぎ により注文処理を行います。NDDであれば良いという認識が多いですが、それ自体は間違いではありません。しかし、NDDと謳っていても期待している環境でなかったり、嘘である事も多い事から複合的に見極める必要があります。1つには取次ぐカバー先が重要です。NDDである 場合、スキャルピングやEAの使用制限がありません。

注意: cTrader や Currenex という取引プラットフォームを使っているとNDDだと考えている投資家は多いようですが、これは全くのデタラメな情報です。いずれも、DD機能が備わっており、FX 業者のビジネスモデルによってDDが可能です。

NDD モデルのカバー(取次ぎ)先について

1. 銀行や ECN、ヘッジファンドが取引参加するインターバンク市場(投資家がNDDに対して本来求めているカバー先でしょう。約定力が高く低コストでフェアな取引環境が手に入る為です。)

2. 親会社等のグループ会社(親会社がDDモデルであればNDDで取次いでもNDDの意味を成しません。日本では外資系 FX 業者がよくこの表現を用います。AVATRADE や FXCM が グループ会社に取次いでNDDと謳っていました。嘘ではありませんが、投資家が求めたものでは無いでしょう。この様なケースは多くあります。)

3. 他のFX業者(資金力や信用力、FXビジネスの知識のない企業がFX業者が提供するホワ イトラベルというサービスを利用する場合にはFX業者をカバー先とします。2同様に実質的にカバー先がDDであればNDDとして望む環境にはなりません)

DMA (Direct Market Access)とは

元来のDMAは取引所(Market)に直接発注される注文処理方法を言います。FX 業界では広義に利用されており、流動性を供給するリクイディティ・プロバイダー(LP)である銀行(ECNを含む場合もある)をMarketと表現します。NDDモデルとなり変動スプレッドのみ存在します。 高い流動性を有しており、銀行との交渉次第でより積極的なスプレッドを提示してもらったり、 取引数量の上限を引き上げたりと、カスタマイズを行う事が多い。日本のようにLPに注文をほとんど流さないFX業者の場合は、銀行等からすると儲からない顧客として扱われます。銀行が流動性を提供し続ける限りは約定拒否は起こりません。スイスショックのように銀行自体が流動性の提供を止める場合は一時的に約定拒否は発生します。

ECN (Electronic Communication Network)とは

ECNとは、電子的な私設取引所の事です。サーバー上に構築されたマッチングシステムによっ て、ECN内で取引している銀行やファンド、その他ECNや個人投資家などの注文がマッチングされます。ECNには Hotspot、Integral、FXall 、EBS 等があります。ECNでは変動スプレッドしか存在しません。また、外付けの取引手数料があります。高い流動性を有しており、特に公証などによってスプレッドが変わることは無い仕組みです。スイスショックのように市場に流動性 がなくなった場合などは、約定拒否が発生しますが、正常時は約定拒否は発生しません。

STP (Straight Though Processing)とは

人手を介さずに発注から約定・決済などに至るまで全ての処理をシステムによって自動的に行う 事を言います。STP 化されることにより、事務コストが削減され、人的リスクも排除されて素早 く、注文処理されます。STP 化されている DMA を DMA/STP、STP 化されて ECN を ECN/STP と表現したりします。ちなみに FX 業者が約定した(マーケットメイク)後にカバー先でそのポ ジションを自動的にカバー注文を行う場合も STP と呼ぶ事があります。 つまり、この様な意味合いでも STP と称している事を考えると STP というだけでは、NDD で あるとは限らないという事になります。この可能性(NDD ではない)を排除するためには Market execution である事を確認すれば良いでしょう。STP かつ Market execution であれば NDD (カバー先もチェック必要)となる。

複合的なビジネスモデル(アグリゲーション)

多くの海外 FX 業者は、複数のアカウントタイプを提供しています。大まかに以下のようなア カウントタイプをそれぞれ独自の名称で提供している事が多いようです。

• DD モデル(ハイレバレッジであったり、さまざまなボーナスを付ける)

• ECN/STP(ECN アカウント、STP アカウントと呼ばれる事が多い)

• DMA/STP(DMA アカウント、STP アカウントと呼ばれる事が多い)

まだ、提供業者は少ないと思われますが、ECN/STP と DMA/STP のハイブリッドモデルもあ ります。複数の ECN や銀行からのプライスをまとめて(アグリゲーションして)ベストプライスと流動性を提供するモデルです。ここではアグリゲーションと呼ぶことにしますが、DMA や ECN 単体と比べると当然ながら、流動性は高くなり、コストも安くなる可能性はあります。

スリッページについて

スリッページとは、注文時に取引システムに表示されていた価格とは異なる価格で約定した場合の事を言います。スリッページには「対称型」と「非対称型」が存在します。スリッページの原因は「投資家の PC やモバイル」と「約定機関(FX 業者やインターバンク)のサーバー」との 物理的な距離がある為です。通信回線を介して約定機関から投資家にプライスが届くまでにはタイムラグが発生します。このタイムラグは投資家が端末を使用している「場所」や使用している 「回線の種類や性能」により異なります。そして、投資家が注文を行って約定機関に注文が届くまでも同様にタイムラグが発生します。一方で市場は 100 分の1や 1000 分の 1 秒単位で動いているプライスですので、投資家が見るプライスは常に過去のプライスとなります。つまり、見えているプライスはあくまでも参考値でしかないのです。

フェアなスリッページ(対称型)

ネガティブ・スリッページ / ポジティブ・スリッページの両方が対照的に発生(発生率は50%前後)する。投資家は極端に損も得もしない、本来あるべき自然な現象です。

 ネガティブ・スリッページ、注文時に取引システムに表示されたプライスより悪いプラ イスで約定する事。

 ポジティブ・スリッページ、注文時に取引システムに表示されたプライスより良いプ ライスで約定する事。

ちょっとした使い分けでポジティブ・スリッページの確率を上げる事ができます。相場が大きく一方向に動く場合に使える方法ですが、逆張りの新規ポジションを持つ場合です。 例えば、大暴落して垂直に近いかたちでプライスを下げている際に成行買いを入れると市場の落下速度が速い為、注文時のプライスよりさらに安く買える事があります。指値設定でも同様です。指標発表時などで利食い設定した際には、対称型だと設定したプライスより良い価格で約定する事があります。これらはあくまでも可能性が向上する場面です。 ポイント:対称型のスリッページは投資家にとって不利益ではない。使い方次第では利益にもなります。

アンフェアなスリッページ(非対称型)

ネガティブ・スリッページのみに発生する。日本の投資家がスリッページに悪印象を持っているのは、日本国内 FX 業者がこの「非対称型」を採用している為です。

 ネガティブ・スリッページ、注文時に取引システムに表示されたプライスより悪いプラ イスで約定する事。

非対称型のスリッページ処理は見えないコストと言えます。 例えば、スプレッドが「原則固定 0.3 銭」だったとしても通常、得られるポジティブ・スリッページを得られない為です。恐らく、多くのトレーダーは上記のようなケースで“100.000”で約 定すればスムーズに「0.3 銭」で約定したと思うでしょう。しかし、本当は“99.990“で約定可能な市場だったかもしれません。場合によっては“100.000”で約定可能な市場であってもネガティ ブ・スリッページとして処理するケースもあります。 FX 業者側が自由に約定プライスをコントロールする事で、投資家の損益も自由にコントロー ルする事が出来るわけです。

ポイント:非対称型のスリッページでは、スプレッド以外の見えないコストを支払っているが投資家には体感ができない。DD モデルで採用される為、全体的に投資家にとって利益相反となります。

参考ニュース:FXCM社の非対称スリッページ問題、1,690万ドルで英FCAと遂に和解

FXCM社は、昨年11月に公開された2013年第3四半期の財務報告書にて、FCA(英金融行為監督機構)による現在進行中の調査について合計1,500万ドルの損失引当金を計上した事を発表していた。そして、26日、FXCM社は制裁金と賠償金の合計1,690万ドルを支払う事でFCAと和解に至った事を公表した。 FXCM社の詳細によると、この調査は同社が2010年8月以前までに設定していた非対称スリッページポリシーについてである。2010年に取引 条件の変更が行われるまでは、FXCM社のリクイディティプロバイダーが注文を有利な価格で執行できる場合に、顧客が価格の改善を受けず、不利なスリッ ページの影響を受け続けていた。

約定方式について

この場合の“Market”(カバー先)とはインターバンク市場と呼ばれる銀行やノンバンク、ECN や FX 業者といったカバー先の事です。Market execution とは、投資家の注文がカバー先で約定した結果を返す約定理方法をいいます。Market した結果(仕入れ価格)に利益を上乗せするため、約定価格がいくらであろうが、FX 業者は利益を確保ができる。従って、約定拒否やプライスの再提示(リオート)を行う必要性が無い。にも関わらず、約定拒否やリクオートが発生するとすれば、それはカバー先によるものである。従って、どのようなカバー先を使っているかも重要な要素となるが、カバー先に関しては後述します。

Instant execution(インスタント・エグゼキューション)

発注時に取引システムに表示されていた価格にて約定処理する方法。スリッページが発生する理屈を理解していれば不自然な現象であることは理解できるはずである。DD モデルで採用される が、DD モデルでは、基本的にマーケット・メイク(呑み行為)により注文処理を行うため、一定レンジのプライスでの注文は受けても他の方法で投資家を負けさせる事ができる為、市場プライスを無視して約定を受け入れる事がある。市場プライスと照らし合わせて、あきらかに FX 業者が不利という判断となれば約定拒否などを行う。これを悪用して投資家がレイテンシー・アービトラージをした場合は口座凍結や出金拒否となる。本質的に投資家にメリットは無い。NDD モデルにおいては Instant execution は存在しない。

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